噛み癖
噛み癖:片噛みの習慣

噛み癖について
TCHとブラキシズムは咬合のそれぞれ縦と横の習慣病でした。噛み合わせで気をつけたいことがもう一つあります。
それが噛み癖です。
つまり、いつも「右ばかりで噛んでいる」というような片噛みが習慣になっていると、奥歯の過重負担で耐えられているうちは良いのですが、度を超すと歯の疲労を招き、歯根破折などの重大なトラブルを起こします。噛むために重要だった歯がとても辛い器官に思えてしまうようになるかもしれません。
歯根破折の症例
右下7番に歯がなかったため、対合歯が延びてしまい、その結果、下顎6番と側方で衝突したことが原因で歯根破折が起こったと考えられます。もし、最後方歯の補綴処置が行われていた場合や噛み癖がなかった場合、歯の破壊は起こらなかったと考えられます。

ここで強調しておきたいのは、生活習慣としての噛み合わせの問題が3つあり、それぞれが口腔内の安全性と予後に深く関わり、問題点を抱えているということです。これらを認識することが重要ではないでしょうか。
かなり昔ですが、歯を1本失っていて診査の結果ブラキシズムがあることが判明したので、治療の話とともに「歯ぎしりがあります・・・」と告げたところ、「失礼ね、そんなものあるはずないじゃないの」と怒った中年女性がいましたが、今頃食事も摂れない有様になっていないといいなと思うのです。
歯ぎしりがあるとかないとかは例えですが、内科医が血圧測定して「血圧が150で高いですね」と告げて、それを「失礼ね、血圧150なんて高血圧なんかじゃないわ」と言うのと同じくらいのことなのです。